マフラーの接合部(フランジ)排気漏れを高耐熱シーリング剤で防ぐ記




昭和の時代と比べれば、近年は軽自動車も普通自動車のように外観も車内も乗り心地も実に良くなったものです。(昭和時代の軽自動車は見下されていたものですが・・)なので私も10年程前くらいから、経済的にも助かる軽自動車を愛用しています。

もちろん今までに記してきたように様々なDIY補修も個々の車で課されてきましたが、おかげでその分の知識と技術を覚えることができました。

そして今回も排気漏れというまた新たな課題によってDIY補修(修理)をやることになりましたので、ここに記録しておきたいと思います。

「CVTのギア滑りを改善する秘薬」の記はこちら

僅かに聞こえるフロント側あたりからの排気音

今まで10年間の間に様々な軽自動車をみてくると、エンジン音の違いまで何となく分かるようになりましたが、今回の車も僅かにフロント側からの排気漏れをしている音が聞こえるのが分かりました。

その日に始めてエンジンをかける時や完全に冷えている状態でエンジンをかけると、始めは回転数が2000回転くらいになるので音が大きくて分かりやすいのですが、エンジンが温まって落ち着いてしまうと1000回転以下に落ちて静かになってしまうため僅かな排気漏れは分かりにくくなります。

また通常はエンジンをかける時には当然に車内にいるわけで、窓を閉めている状態ではなおさら判りずらくなるのです。(そのまま気が付かないで乗っているのがふつうである)

今回のことですが、この始動直後の回転数が高い時に外に出てフロント側に立ってみると、エンジンのアイドリング音以外の何か別の音が混じっているのが聞き取れました。

アイドリングが落ち着いている状態になっても少しですが「ポンポンポンポン!」というような空気が出ているような音なので、排気がフロント側のどこからか出ていることは確かでした。

フロントに近いマフラーをチェックしても穴や亀裂は発見できなかったので、あとは接合部しかないと判断できましたが、接合部分と言うとエキマニ(エキゾーストマニホールド)か、その下の触媒との接合部分になっている(球面フランジ)箇所のどちらかになります。

≪エキマニならばけっこう厄介なことになるので、そこじゃない様にと祈りつつ≫

ためしに触媒(キャタライザー)の接合部分である球面フランジ(スプリングボルト式の箇所)あたりへ手をかざしてみたところ、右側の隙間から少し排気が出ていることを手に感じました!

↑かなりの高温になる箇所なので、手を鉄部へ触れないように慎重に確認↑

見ると確かにACコンプレッサーの外側に、排気が当たってススが付着している感じでした。

この球面フランジの内側にはガッチリとした球面用ガスケットが付いているのですが、もしかしたら亀裂が入ったり割れてしまった状態になっているのかもしれません。

こんな形のガスケット↓

このフランジの箇所は触媒とマフラーを繋ぐ接続部分なので、とても高温となり800℃くらいになるといわれています。

またここはエンジンの振動と高排気力がかかる箇所なので、ガッチリ接着はせずにバネ・スプリングで押さえて衝撃からリアマフラーを守っているようです。

触媒の球面フランジ・ガスケットを交換してみる!

ということで、球面フランジのガスケットが排気漏れの原因かもしれないと思ったところで、さっそく新しいガスケットをネットで注文¥1500~¥1800。(予め球面のサイズを外側から測って)

フランジ接続部のボルトナットの錆び付き状態を見る限りおそらく初めて外すような感じなので、かなり固着していると想像できました(その通り、そうすぐには回りませんでした・・)

注文品が届く間にどうにかボルトが回るように、いつもの必須品ラスペネを与えておきます↓

部品が届く間に2回ほど与えてあげました↑

このネジ浸透剤はすぐには効きませんが、ボルトやネジへじわじわと浸み込んでいくのでとても優秀品だと思います。

数日後、新しいガスケットとスタッドボルトが到着したので早速やってみます!

最初はスプリング式なので「ギ・ギィ!」と音がした感じでしたが無事に回りました↓

触媒のフランジに固定されているナットがかなり錆びている状態でしたので苦戦を覚悟しましたが、ラスペネを与えて数日経過したのでよく浸透してくれた為か、難無く無事に回ってくれました~

球面フランジのガスケットは触媒側の下に付いていて簡単に外すことができましたが、見ると特に割れていたり亀裂が入っていたりはしていない感じなのでした・・。

これが原因じゃないのか・・?と思いつつ、やはりせっかく新しいガスケットを買ったので交換してみることにします。

この車種の場合、運転席下あたりになるところにマフラーのサイレンサー部があり、そこの吊りゴムを外すとマフラーの前部分が下に降ろせます↓(マフラーのタイコ部分は吊られたままで)

↑黄色の枠は上が吊りゴム、下がマフラーのステイでマフラーの吊りゴムを外した状態↑(シリコンスプレー等でツルんと抜けますが、逆にハメた時は脱脂しておかないと抜けやすい)

マフラー側の球面フランジ部分にサイズが合っているか確認し、上の触媒側にハメます。

触媒側にハメると可動域はなくなりますが、下に組み合わせるマフラー側のフランジが球面型になっているので、エンジンや排気圧振動に対応できるのです。

優秀なアメリカ製の液状ガスケットシール剤 
新しいガスケットを交換したのはいいですが、マフラーを付けなおして確認したところ・・何故かまだ僅かな排気漏れをこのフランジ部分に感じるのでした(-_-)
排気音は気のせい前よりも静かになった感じはしましたが、まだ僅かに聞こえる漏れる音が残っているのです・・。もしかしたらガスケットサイズが少し大き過ぎた(1mmだけ)のか、フランジの歪みがあるのか・・それが分かりません!
残すところはシール剤で塞ぐという考えしかありませんでしたが、この箇所は800~1000℃近くにもなる高温の場所なのでそれに耐えられるものでなくてはいけません。
ホームセンターでホルツ等の製品もありますが、前回の米製のCVT添加剤の優れた結果を思い出し、今回も米製の「高耐熱シール剤1100℃対応」という製品をネットで見つけそれを調達することにしました!(再び米製に期待して・・)
この製品は液状シーリング剤で、歯磨き粉みたいにチューブからスムーズに出て塗りやすいのです。またクリームみたいなので、薄く伸ばして塗ることも伸ばさずにそのまま濃い状態でも自由に調節塗りができます!
ちなみに、どんな感じになるのか耐熱性などを試すために実験をしてみました↓
撮る時は炎を止めてましたが、実際はバーナーで熱していました↑
何度になったかは不明ですが、蒸発して消滅することはありませんでした!
しばらく経過した後の状態を見ると、ガチガチになって正にセメント状態になっていました↓
あんなクリーム状だったものが、硬いセメントみたいになってしまうとは不思議です・・
ガチガチに硬化したセメント状態↑
他製品の高耐熱シール剤についてレビューをみると、高熱で白くなったのがボロボロと落ちてしまう等がありましたが、この米製シール剤は高熱で固まっても逆に艶も見える感じになっていました。
初めて使用するので実際の耐久性などはまだ分かりませんが、とりあえず優秀な結果を期待して使ってみようと思います!(^^)/
まずはマフラーフランジの汚れカスなどをブラシなどで清掃し、きれいに脱脂もします。
油脂は塗装やシーリング等の大敵なので、十分に脱脂しておかなければ剥がれ落ちてしまいます。
フランジガスケットとの接合部分から少し排気が逃げているという前提で、マフラー側の球面フランジへシール剤を塗っておくことにします。
上の赤いラインのように、シール剤を塗っておきます↑(上ではなく内側へ)
触媒側のガスケットがここに合体してくるわけですが、接着したシール剤が高熱によって硬化しセメント化することになります。
これでフランジ接合部からの排気漏れを食い止めることができると思いますが、球面の可動性は失われてしまうかもしれません。
上下のフランジを繋ぐスタッドボルトも新品へ交換(右が古いボルトでスプリングは使用継続)
上と下のフランジを繋いでいるスプリング式スタッドボルトは継続で付いていますので、エンジンの振動や排圧の緩和は変わらないと思います。(触媒側のガスケットは接着してないので)
ということで、シール剤を使用してから24時間の経過を待ってエンジン音を聞くことに・・
翌日のエンジン始動での結果
もうこれ以上の対策が思いつかないので、祈る思いで恐る恐るエンジンをかけるのでした・・
結果、エンジンのアイドリング音に排気漏れの音が見事に消えていました!(^^)/
念の為にフランジ接合部へ手をかざして確認してみましたが、フランジの周囲すべて空気を手に感じませんでした!(ふぅ~😌)
今回はとりあえずこれで通常のアイドリング音に戻ることができましたが、まだ耐久性は分からないので暫く様子をみることになります。(始動時のアイドリング音に注意して)
以後、異変がありましたら追記したいと思いますが、なるべく最低でも今度の車検が終わるまで保ってもらいたいものです(*^-^*)
それにしても、やっぱり車大国であるアメリカの製品は優れたものがありますね~
車検がないので自分で修理する人が多いためでしょうかね・・