大学無償化といっても全ては賄えず、結局は借金が必要になると思う記

2020年度から高校生と同じように、大学や専門学校などの「高等教育の無償化」という制度が開始されます。これは経済的に余裕のなかった家庭にとっては、本当に有難いことだと思います。

しかし一方で、この支援制度だけでは全ては賄えない費用もあるために、住民税非課税である本当の低所得家庭にとっては、やはり借金が必要になってしまう計算となるのです。

そこで今回は、この新制度によって低所得家庭(非課税世帯)の学生は無償で大学へ行けるわけではなく、あくまでも学費補助であり借金は少なからず必要になるという事を記しておきたいと思います。(従来よりはずっと良い結果にもなりますが・・)

*  *  *

先日、私の親戚で私立大学への入学が決まり喜びも束の間、高額な初年度の納入金を支払う貯蓄もないため、仕方なく借金をしなければ払えなかった様でした。

とにかく大学無償化と思っていたために、入学前に支払う(合格通知後すぐに支払う)初年度の納入金(入学金や授業料ほか)を、先に立て替えるなんて考えてなかったのでしょう。

国の学生支援制度を多くの家庭が期待するものですが、様々な大学や専門学校のパンフレットを取り寄せてみると、その喜びも少し不安に変わってしまう部分が出てくるのです。

各学校の案内ページの中に書かれてある年間納入額表を見ると分かりますが、特に低所得層(非課税所帯)にとっては、そこには途方に暮れてしまう数字が記載されているのです。

合格通知後や入学前に必要となる高額な納入金

ある私立大学の初年度費用をみてみると、入学金¥28万 授業料¥86万 設備費¥28万 研究費ほか¥7万 で合計¥149万 (医学部や薬学部はさらに高額)にもなります。

今回スタートされる大学や専門学校無償化は入学金と授業料の支援をしてくれる制度で、同時に給付型奨学金も与えられるというものですが、対象の限度額が設定されています。

私立大学ですと最大で、入学金¥26万 授業料¥70万 合計¥96万が支援される予定ですが、それでも初年度¥53万も足りません

入学金や授業料以外に徴収される設備費や研究費、実習費などが別途必要になっているためです。

これは各学部や学科によって違いますが、今回の支援制度はその部分まで援助となっていません。そのため、その費用は自ら賄うことになるのです。

学生生活の支援用に「給付型奨学金」も支給されるのですが、その奨学金は入学数か月後から月々支給されるものですので、初年度の納入金に間に合いません!

ここで文部科学省のホームページを参照してみましょう。←リンクはクリックで

授業料等減免の上限額(年額)住民税非課税世帯の学生の場合

住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生は、住民税非課税世帯の学生の2/3又は1/3の支援額となります。
大学2年次以降から支援を受ける人は「入学金」の免除・減額は受けられません。    

〈昼間制〉 国公立    私立    
  入学金  授業料 入学金 授業料  
大学  約28万円 約54万円 26万円 70万円  
短期大学 約17万円 約39万円 約25万円 約62万円  
高等専門学校 約8万円 約23万円 約13万円 約70万円  
専門学校 約7万円 約17万円 約16万円 約59万円  
文部科学省のホームページより
 
 
無償化でも貯金がない家には結局借金しないと足りない

大学も短大も専門学校も、徴収される費用は入学金と授業料だけではありません。

平均的な私立大学費用を計算すると、設備費や教育実習費、諸会費、研究費、教材費、リクレーション費等の名目を足すと、1年目で納める費用は¥150万以上になってしまいます!

尚且つ、初年度の入学金以外は最初の1年目だけではなく、在籍していれば毎年納入金として請求内容に入っているのです。

基本的には1年分を春季に一括で納入する必要がありますから、毎年来春までに貯めておかなければ払えません。つまり、支給された奨学金を毎月積み立てていくことが必須となります。

2年目からは入学金はありませんが、それ以外の費用は毎年納めることになるので「無償化」といえども現実的には少し厳しさを感じるでしょう。

それでは、下の奨学金表を参照して考えてみます。

非課税家庭に支援される給付型奨学金予定額です。住民税非課税家庭対象

( )枠額は生活保護世帯の場合です。

   国公立    私立  
  自宅通学生 下宿通学生 自宅通学生 下宿通学生
大学
短期大学
専門学校

29,200円

(33,300円)

66,700円

38,300円

(42,500円)

75,800円

文部科学省のホームページより

先に例とした私立大学に入学し自宅から通学した場合、数か月後から毎月¥38000程支給されると、来春までに合計約¥45万となる計算です。

2年目の必要額は、授業料が¥86万のうち¥70万の援助としても¥16万が足りず、設備費¥28万と研究費等¥7万がありますので、合計16+28+7=¥51万が必要です。

12か月分の奨学金を一切使用しなければ¥45万ありますが、それでも¥6万足りません

現実的には、通学定期代や毎日の学食代、携帯代や部活費交友費が別途かかりますので、やっぱりアルバイトをする時間が必要になるのかもしれませんが、しかし学業をおろそかにしたり出席日数を怠れば即支給が止まってしまうとあるのです・・。

いずれにしても、非課税家庭や低所得層にとっては初年度の納入金ほどの貯蓄額はありませんので、日本政策公庫などから一旦融資を受け借金しなければせっかくの合格通知も意味が無くなってしまうのです。

それでも今までの奨学金20年返済生活よりは格段に良い!

知人の息子や娘さんらは来春大学の卒業を迎えますが、その年のうちに奨学金の返済が始まるのだと言っていました。

これから20年もの期間をかけて毎月支払うことになるそうですが、無事に卒業でき就職も決まった喜びと同時に気が遠くなるようなローン生活に不安も感じるようなのです・・

今年からスタートとなる「給付型奨学金制度」がもっと早くなってくれていたならと、現在返済に追われている卒業生の方々は痛感しているはずでしょう!

この制度が立案された背景には、奨学金返済で苦しんでしまっている卒業生が大勢存在している現実からだと聞きます。

大学4年間の納入金が合計約500万円だとすれば、無理のない20年ローンで毎年25万で毎月2万円程度ですが、20年は本当に長いもので様々な出来事があるはずです!

今の時代、就職したとしても長く勤められる確率は非常に少ないのです。

いざ希望職として入社しても違和感を感じて辞めざる負えない場合もあり、致し方ない経済危機によって廃業や倒産で職を失うこともありえます。

無事に大学を卒業したからとしって、すべての人が安泰に長期ローンを返済していける境遇でいられるとは限らないのです。

失職などの都合である場合は、奨学金返済の毎月の返済額減額で期間延長などが可能ですが、返済が許されるわけではありません。

先日ある投稿記事でのこと、そこそこの大学を無事に卒業し社会人として立派になったにもかかわらず、奨学金返済残り10年を残してこの世から卒業してしまったそうです。

その残った10年分の返済は後に、年金生活で暮らしている親へ向けて請求が届いたのです。

4年間の大学生活費用を返済するために、20年ローンを組んでいる人は多いと思われます。(親戚や知人の息子さんもその一員なので、どれだけの人が利用しているか想像できます。)

しかし20年の月日は長いもので、20年間のうちで結婚や出産もあるでしょうし、子供にかかる費用も出てくるものです。そして先の事は本当に分からないのです。

結婚し子供ができた後まで、大学の時の学費を払っているなんて本当に大変なことです!それが結婚しない(できない)要因にもなり、少子化への大きな影響でもあるのでしょう。

*  *  *

今回の給付型奨学金制度でも完全には費用を全て賄えるわけではありませんが、この制度の支援によって借金額も少なくなるため、20年ローンが3分の1(7年ローン)程度で済むかもしれません。

経済的に厳しい低所得家庭にとっては、当初必要な立替金を一時的に借金しなければなりませんが、入学金と授業料だけでも支援受けられるということは、今までの奨学金よりも格段に良い結果となるはずです!

たとえ不足分を借金したとしても、今までよりは少なく済むため ずっと楽だと思います。

逆に、国にとってこの制度は国家予算の圧迫にはなってしまうかもしれません。しかし、底に居た優秀な能力人を引き出す大きな可能性もありますので、将来への期待に賭けることもできるでしょう。

低所得層の中に優秀な子供達がたくさんいるのです。(富裕層の子供達の中にも)

50年後の我が国を左右することができるのは、今の若い人たちなのですから・・。

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