大きな国難の時、その国のトップ(統治者ら)の力と責任感が試されるものだと思います。国民のリーダーに相応しいかどうか、民衆の尊敬や信頼を得られる者であるか否かが判る時なのでしょう。
「偉い人」ではなく「尊敬・信頼できる人」が民衆のトップリーダーに相応しいという、本来の正しいトップの選び方に変わっていくのかもしれません。
人間も動物も群れで生きているものは、たいてい先頭に立つ存在があるはずです。ライオンも猿も群れの中にはボスというトップリーダーがいて、群れを守る役目をしています。
リーダーが群れの中で一番優遇されているのは、群れの危険な時に先頭に立って解決に当たる役ができるから、他の者が一目置いているのです。そのトップが弱くて尊敬もできない者ならば、その配下たちから頼りにされなくなり不要となるでしょう。
人間も昔から頭になる役目の者は強いだけでなく、責任を背負うことができる者でした。配下の者らから信頼と尊敬を受けていなければ、反発するものも出てきてしまうのです。
戦国時代には、一国の城主は攻め落とされてしまうと責任を取らされ「切腹」をさせられたのです。国のトップは立派な屋敷や「衣食住」には困ることなくとも、いざ国難となれば民衆を守って責任を取らなければならないのです。
近代国家でも国のトップは責任を取らされたものです。太平洋戦争の終結の際は、当時の首相兼陸軍大臣だった東條英機ら戦争時の大本営といわれた統治者たちは、戦争戦犯として裁かれました。
一国のトップリーダーらは、国民から「信頼と信用」で選ばれた者ですから民衆を守らなければなりません。民衆が崩れてしまえば、トップの存在も崩れます。民衆が栄えなければ年貢も徴収できないので、当然にトップらへの見返りも得られません。
国難の時に民衆の意見や苦しみを聞かず、トップだけでレベルの違う対策を決めてしまえば民衆の信頼や信用を失うことになるでしょう。
現代は戦国時代の様にトップリーダーが失態となった際に「斬首や切腹」を強いられるわけではありませんので、最悪でも「辞任」するだけで済んでしまいます。
「責任を取る」イコール「辞任する」というだけなので、命を懸けて「係・役」をしていたわけではありません。(戦国時代だったら、首撥ねられたり腹切りの覚悟が要るわけだったが・・)
その点は昔の大名と同じように良い報酬や待遇を受けられるにもかかわらず、いざという時でも命をもって責任を果たすわけではないので気が楽でしょう。
一国のトップリーダーを真剣に務める覚悟であれば「命を懸ける」くらいの者でなければ民衆の「誠の信頼心や尊敬心」を掴むことはできないでしょう。
国のトップである国会議員や内閣は、元はといえば国民から選んでもらっている立場です。しかし、いつの間にかそのことを忘れてしまって、「自分の力でここまで昇ってきたんだ!」と自負してしまっている人もいるはずです。
ところで、もし国会議員報酬やボーナスがずっと低いものだったらどうでしょう。
昭和の時代からトップリーダーら(国会議員)の報酬を「歳費」という名で予算に組んでいるわけですが、現在その年収平均額は2000万円くらいといわれています。民間でいうボーナスにあたる手当は、平均600万円くらいとのことです。
民間だと売り上げ業績がボーナスに大きく影響しますが、公務員は「今年のボーナスは無い!」ってことがあるのでしょうか? 私の知人は公務員でしたが、そんな嘆き愚痴を聞いたことがありません。
仕事量が大変という分野もあるでしょうから、その責任手当の相当額が支給されていると言われれば納得する部分もありますが、そんなに大変そうな仕事でもなさそうな分野がけっこうある気もします。
民衆に選ばれた議員は「民衆の役に立ちたい!国を良くしたい!」という責任・任務を負いたい者の集まりであるはずなので、高額な報酬や名誉が目当てではないはずです。
民衆の上に立って民衆の代表となって、民衆を纏め守っていく役目を担いたいわけですから、極端にいえば財政の残り分を議員数で分けたとしても良いのではと思います。
そんなことで移動や経費は別として、もし実際に
今までの様な高額報酬ではありませんから、本当に民衆のことを考えてくれる者が出てくれるかもしれません!高額報酬でなければ「欲」は排除されてしまいますので、本当の信頼されるリーダーたちが登場するに違いありません!
お金ではなく、その代わりに尊敬されるという「名誉」を得られるでしょう。
みんなが思っていることだと思いますが、国のトップに相応しい本当のリーダーとは「民衆の痛みを知っている者」つまり「食べるのに困ったことのある経験者」なのかもしれません・・。(豊臣秀吉みたいな?)
現在、戦後史上最大の国難によって政府は、その力量を試される時を迎えました!
今回の惨事に見舞われた多くの人々が、何を求めているのかを敏速に対処してあげなければ、大きく信頼・信用を失うことでしょう!
民衆が苦しんでいる中で、トップたちだけが高みの見物で考えているだけでは、後になって後悔することと解っているはずです。民衆が大きく減ってしまわないうちに早く助けなければなりません。
国民が居てくれるから役人がいられるという基本を忘れてはいけません!民衆からの年貢がなければ、大名一家も食べてはいけないのです。
今年の様な戦後最大の国難に遭った場合、翌年の年貢は大きく減ることは間違いないと解っているのでしょうか?
この今回の大きな国難によって、政治家というトップリーダーが選別を受けることになります。信頼や尊敬を得るのか失望させられるのか、民衆が決めるでしょう!
一国のトップリーダーに相応しい信頼できる者を、民衆が判断する時だと思います。