雪国や海沿いで使われていた中古車は選ばない方が良いと思った補修記




先日、車検時に指摘されて発見できた車体下部の腐食箇所。数年前に購入した中古車は、今までに多くの補修を続けてきましたが、今回は本当に「雪国で使われていた車は避けるべきだった!」と後悔を覚えました。

安いからと飛びついて購入した数年前、こんなに次々と後から補修の必要となる箇所が発見されるなんて思ってもいませんでした。

とにかく、一番に後悔しているのは「車体の赤錆びによる腐食」です!


上の画像は我車ではない極端な例ですが、とにかく塩害は車体にも大きく影響してしまいます!

所有してすぐに下回りのチェック&清掃をするわけですが、一般家庭に1台まるまる持ち上げられる様なリフトがあるわけないので全ての下回りを診ることはできません。

フロアジャッキである程度は上げられますが、リフトの様な高さには到底無理ですから車体下部奥までは諦めてしまいます。なので、今回の腐食進行にも気が付かなかったわけです。

前オーナーが使用していたのは、冬に多くの雪が積もる地域だとは分かっていました。しかし、融雪剤(道路の凍結防止剤)が車の下回りを、こんなに大きく腐食進行させるとは思っていませんでした。

融雪剤には塩化カルシウムなどが混合されており、走行すると下回り(シャフトやマフラーなど)に大きく影響を及ぼすのです。

走行してすぐに車体の下部を洗い流せば良いのでしょうが、走行するたびなので切りがありませんから ほとんどの人はやらないでしょう。

当初、車は外観キズや凹みが無く見た目はとても良かったので購入してしまいましたが、とにかく車体の下回りは酷かったのです!(たいていは後々になってから分かります・・)

車体へ及ぼす恐ろしき塩害

先に述べたように昔から毎年雪が多く降る地域では、道路に融雪剤を撒いて凍らないようにしてきましたが自動車の車体下部には大きな塩害を及ぼします。また、塩害ということは潮風や波風の当たる地域も他人ごとではありません。

海の水には塩が含まれていますので、当然その海水が風に乘って吹き注げば、海沿いに停めてある車体の全体に塩水をかけていることになります。

道路の融雪剤は主に車体の下部が侵されてしまいますが、海風や波風の場合は下部だけではなく車体全体に影響を及ぼすわけです。

そして我車の様に塩害車となっていくわけですが、今回の指摘された箇所の腐食がその極めつけの証拠となります。

下の画像をご覧ください。

この画像はマフラーのタイコ(サイレンサー)から出ているマフラーパイプに溶接して支えている「マフラーステイ」部分です。

画面に向かって左側は、塩害を受けていない正常な状態です。それに対し、右側は塩害によって溶接部分が腐食して無くなっている状態です。(同じ車種で同じ程度の年式走行距離です)

普通の雨で濡れている道路を走っている場合は、左側の様に錆に食われている様子もありませんが、右側の状態は何年も塩水を浴びいただろうという証拠になります!

この右側が今回の我車なのですが、車体下部の中で今まで一番の腐食状態でした。

上に写って見えるバー(ステイ用)がタイコ上部に溶接されていますが、その部分も腐食が激しく穴が開いていたので、融雪剤(塩カリ)の恐ろしさを感じました。

このタイコ部分はリアタイヤ位置よりも奥なので、フロアジャッキで高く上げて潜って視ないと状態がはっきり分からないのです。それが数年の間、気が付かなかった理由です。

タイコ上部の溶接部分は、まだ2/3接合状態が残っている為しばらくは保てると判断し、転換剤をうっておくことにしました。

マフラーパイプの腐食欠損部分には溶接道具がないので、代わりにステンレス製のバンドで上のステイ用バーと結んでおきました。

左側の状態が塩害を受けていないマフラー(タイコ)の状態で、右側は雪国の融雪剤を浴びながら使用していた結果です。画像ではっきり比較できますが、ステンレス(タイコやパイプ)でさえ錆びの進行を招いてしまうのです。

中古車を選ぶ時には車体下部もチェックした方が良い!

中古車を購入する時に、しゃがんで(地面に膝をついて)地面スレスレまでに頭を下げてフロントとリアの下廻りを見る人は少ないです。ほとんどは見える範囲の外見を見てキズ凹みを確認し、また内装や装備等を見て判断するでしょう。

今回のこの我車を選ぶ際も同じような選び方をしてしまったわけで、それによって今まで様々な箇所の補修手間をかけさせられてきました。

旧ナンバーが付いている場合は何処の地域で使われていたかが分かりますが、ナンバーが付いていなくて分からないことも多いです。

そういう場合は、下回りを診ればはっきりするでしょう。先ほどの比較写真を見れば大きな参考になると思います。ステンレス素材にまで赤錆が付着しているようなら、長年塩害を受けてきた車体下部ということです。

我車の場合だと5~6年ほど雪の沢山降る地域で使われており、その結果このくらいの状態になったという感じですからそれも参考になるはずです。

もちろん車体下部の錆びの状態はここだけではなく、リアのメンバー廻りやフロントのシャフト周辺にも及んでいました。しかし、それほど奥ではなくフロアジャッキアップでチェックできる範囲でしたので、所有時に予め錆びの進行防止処置はしておけました。(錆が酷いことは確かでした)

この数年の間、我車の補修で様々な事を覚えましたが、同時に「もう塩害を受けてきた車は所有したくないなぁ!」と思うようになりました。

冬に雪のたくさん降る地域や、海に近い地域の方々には仕方ないことなのでしょうけれども、塩害による車体への影響は思っていた以上にあるということです。

雪国や海沿いで塩害を受けてきた車も、その地域の下取り店や買取店へ沢山流れていますから、私の様に安くて外見も良い中古車に決めてしまう前に、塩害車の事を頭に入れて選びましょう。