タイヤの端側が減っている 「 片減り 」 の要因を想う記




片減りタイヤが多くなった要因を想う

昔の職歴上、車両点検はよく行う方なのですが、先日知り合った人の車をふと見ると、それは酷くタイヤが擦り減った状態でありました。(上の図とは関係ありません)

アドバイス等はしましたが、セルフGSで給油だけしている為に、一般的な簡易点検でさえ日常的に怠ってしまっている様です。

2000年代になってセルフGSは日本に広く普及し、今では当たり前の様になっています。
最近では、係員が給油してくれるガソリンスタンドは本当に少なくなりましたね~。

自分で好きな分量を入れて、サッと帰れる合理的なシステムである点や、毎度毎度の係員による煩わしいケミカル商品の売り込み勧誘がされなくなった点は、良いかもしれませんけど。

しかしその反面、車のメンテナンスについて無知な人々にとっては不都合になってしまったという盲点が出てきました。

この問題について、特にすぐ分かるのはタイヤの状態です!
(*冒頭のタイヤ写真を見て解ると思います)
E/Gオイルと違い、外観から一目で察しできる箇所です~

 


中古車買い取り業者が一般の人から車を買い取り、中古車オークションに出品していますが、その出品車両を見てみると、多くの車両がタイヤ溝の減り方が明らかに昔とは違っているのが分ります。

片減りタイヤともいわれ、本来タイヤの真ん中の溝が減ってくるべきなのですが、端(サイド)が目立って減っている状態です。
これは、その車の規定空気圧よりも格段に低い空気圧状態で長期間を走行していた証となるものです。

圧力が低いと、地面(道路)接着面にタイヤの真ん中が内側に緩み、タイヤの両端部分の方へ力がかかってきます。
そうなると真ん中よりも端の部分に摩擦力が強くなってしまい、中央よりもサイドの方が早く減ってくることになるでしょう。

タイヤの構造としては、端よりも中央の方が厚みがあり耐久性もあります。そのため、適正な空気圧で真ん中に地面(道路)との摩擦の力が当たらなければいけないのです。
*タイヤ構造への異例な負担は、耐久力弱体化によるバースト現象やパンクへの影響に繋がります。

「高速道路にのりますか?」と聞かれたことがあるかもしれませんが、高速で回転すると、その強い遠心力によってタイヤも変形させられますので、なるべく規定圧よりは高くしておく方が良いという意味です。

夏は暑さによって、熱が空気を膨張させるためにタイヤの空気圧が少し高くなるようです。
逆に寒い冬は、収縮するので圧も減るのかもしれません。(積雪面には良いかも?!)


セルフ式が無かった時代は、係員がパッと観て「空気圧を診ておきますね!」と言ってくれました。

セルフで給油を簡単に済ませることができるため、女性や高齢者などが、タイヤの空気圧を診てもらう機会が減ったのですね~!

一般的に「車を運転しているだけの人」は、ご婦人には特に多いと思われます。

長年運転はしてきているのに、車のメンテナンスをしていない人が多いのですよね~

以前、知人のご婦人に「ちょっとボンネットを開けてみて下さい!」と言ったところ

えっ!開けたことないので分かりません!」と答えが返ってきたことがあります。

へたすると、空気圧って何ですか? なんて言われます。

<エンジンをかけて、Dレンジにして、足でペダルを踏んで、ハンドルで操作する>

これさえできれば車を動かすことできるのですから、オートマチック車の出生は女性ドライバーにとっては優しい車であり、また爆発的普及を促す優れた発明だったのです!

運転免許を取得する時には少しくらいは勉強したことと思いますが、月日が経過していくと試験で出た問題さえも忘れていきます。

そして普段は、車が普通に動けば「車がどうして動くのか」や「日常点検簡易メンテナンス」なんて事、みんな通常は考えてはいないのですよね~!

何か異常を感じた時には、すべてディーラーに任せているから良いのでしょうと。(まぁ、そういう方々に車屋業界は儲けさせてもらっているのですけど・・)

一番多いタイプは、車検まで2年間の間ずっと何も車の状態を診ないノーメンテ車

日本はアメリカと違い車検制度があるため、その点はまだ良いです。

オイル交換も空気圧も「車検したんだから、また2年間しなくても大丈夫!」という誤解を生じさせる要因になっている可能性もありますが・・

とにかく、車を運転するということは責任もあることですから整備不良という違反もあり、ランプが切れて走っても、タイヤの溝が不足していても責任不足ということなのですね~

私は今までにセルフGSで、ご婦人や年配女性ドライバーが、エアーを調整等をしている姿を一度も見たことがありません。

給油をする場所とは違うところに設置してあるので、なかなかそこまで移動させる人も少ないとしても、そもそもやり方も解らない人も多いのでしょう。

ご家庭にコンプレッサーが置いてあるなんて人はごく僅かでしょうから、空気圧なんて診る機会がどんどん少なくなったのです。

男性の方は女性よりは車について興味があるでしょうから、自分の車だけでなく時には奥さんや娘さん、お母様達の空気圧を診てあげて下さいね~!

セルフGSに給油はして来れても、エアーを診ることはして来ないでしょうからね・・

*   *   *

次回は、パンクタイヤと修理不可能だった出来事について、少し記してみようと思います!

今回も最後までお付き合い頂きまして、誠に有難う御座いました。この記が何かのご参考になれば幸いに存じます。。