前回、序章の続きから..
40年前までは家族だった別離した父も、歳をとって、
介護が必要となったため、血の繋がった者として市役所からの
要請連絡を受けた私が、手助けをすることになったのです。
これは、年配者の仲間入りとなった歳頃の私が
40年前まで家族であった父親の介護支援の始まりとして
最初に訪れた大きな試練、ゴキブリ屋敷との闘い・
DIYリフォーム苦闘記を、数回に分けて綴っていくものです。
今回はその第一章「クリーンアップ苦闘編」となっております。
暖かくなる春頃に、一時的に施設入居していたその父が
戻ってくることが決まったのですが、大きな問題がありました。
あの怖ろしく汚い部屋も環境へ戻っても、また同じ様態に戻って
しまうため、どうにかしなければならなくなったのです・・
「このまま、あの環境へは戻せませんよ!」と
あの部屋の状態を観ているセンターの担当も、当然のごとく言います。
しかしその反面、40年前の家族である私にも強くは言いずらい点が
あったのです。
「あんた、人が良すぎるわよ~! 捨てられた別離の父に
そこまでやらなくてもいいんじゃない?」と家族にも
言われましたが、一旦首を突っ込んだ流れである以上
「後は知らない!」とはセンターの人へ言えませんでした。
と、こんな経緯の流れによって私がやることになったのです。
あの恐ろしく汚れた室内を、帰ってくる前に変えることを・・
まだ寒さの残る3月初旬
まず私は、家の中の調査へ向かいました。
そして、どのくらい汚いか本当の状態を知るのでした!
念の為、清掃業者も見積りをお願いしていましたので
現地で待ち合わせとなっていました。
しかし、業者の担当も室内へ入ると、顔が曇りました。
この異臭と室内の酷い環境に、早く外へ出てしまいたい感じで
「これじゃ~!レベルが高いので、高額になってしまいますよ~!」
「かえって引っ越しした方が良いんじゃないですかね~!」
「この家は、もう壊したほうが良いくらいですし・・」
と、メチャクチャに言われて、やりたくなさそうな感じでした。
業者を見送った後、私は途方に暮れてしまいましたが
仕方なくもう一度よく調べていると、もっと凄い事実が!!
押し入れを覗くと、サイドの柱に沿って続く黒いカプセルの列!
それが上にも横にも縦柱にも、おびただしい数がくっ付いています!
これは、間違いなくゴキブリの卵の産みつけられた列でした。
さらに調べてみると、戸や上のレール隙間などにも卵の列で
それはそれは、見たことのない情景でした!
部屋に入ってサッと状態を観ただけであれば、単なる汚い部屋ですが
よく調べてみると実は、おぞましいゴキブリに占領されていた家
だったのです!(まさに、映画「エイリアン」の棲家みたいに・・)
*業者はそれに感ずいていたのでしょうか・・?
「これはとんでもない事を引き受けてしまったなぁ~!」
と、私は溜息をつくのでした・・
しかし、センターの人らに約束したからには責任があります。
「業者がダメなら、自分でやるしかないか!」
おそらく、多額の支払いをすれば引き受ける業者がいるかもしれませんが
預貯金というものをしてこなかった父には、そんな余裕はなく
僅かな年金の残りしかありませんから、それは到底無理な話です。
私は、「なんで、こんなことに・・」と最初は想いましたが
自らこの与えられた試練を受ける定めと、潔く悟り
「やるなら、センターの人をビックリさせてやるぞ!」という気持ちで
テレビ番組であった「ビフォー&アフター」の様に決めてやりたいと
限られた資金のもと、念密な計画に入ったのでした!
ゴキブリの孵化しない寒いうちに!
まだ寒さが残っているうちに、やらなければなりません。
気温が20度近くなると、虫の発生が近づいてきますので
卵も孵化していまうかもしれません!
ゴキブリの卵は頑丈な黒い膜で守られていますので
バルサンを使っても効果は薄いでしょう。
それよりも、産み落とされ粘着された黒いカプセル状の卵を
削ぎ落としてゴミとして焼却処分されることです。
ともあれ、だいたいのクリーンアップ段取りは決め
大掃除の後の、リフォーム構想も父の僅かな予算から考え
いよいよ、中高年DIYが開始となるのでした。
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