少し前のことですが、がん検診で腹部のCTや超音波等検査したところ、胆のうポリープが大きめになっているので怪しいと医師に指摘されました。
ガンを見つける検査をしに行ったので、1cmほどの大きさのポリープが見つかると当然に怪しく考えてしまうものです。(もし、これが胆のうガンだったらと・・)
そう言われてしまうと、以前に知人を胆嚢癌で失ったことを思い出させられます・・
医師いわく「胆嚢摘出してしまっても身体には大きな影響はないですよ」ということで、本当のガンの場合に比べてリスクは大きくないと説得みたいに聞かされた結果、摘出手術をする流れになったのです!
がしかし・・、結果として その摘出された胆のうには癌の姿はなかったのです!
これは結果論でしかありませんが、最初からガンではなかったと分かっていれば手間やお金を費やしてまで摘出手術など必要なかったんじゃないと誰でも思うでしょう。つまり手術損に思えてしまうのです。
けれども今さら胆のうを腹の中(肝臓に)に戻すこともできないので、これは何とも仕方がないことで、癌でなかっただけ良いと考えるしかありませんでした。
前置きが長くなりましたが以上のことを踏まえて、今回はこの仕方なかった胆嚢摘出手術体験記を残しておこうと思います。
ちなみに後から解かったこととして、【内視鏡的逆行性胆道造影検査】という方法ができる病院でしたら、摘出手術せずにも予めポリープが癌化かどうか解かるらしいのです。
胆のうポリープは大きさによって癌と疑われる!
↑図の様に肝臓に付いている胆のうは、脂分を分解する役目の黄色い胆汁を貯めてある器官ですが、この袋状に作られた表面にポリープができたり中に胆石が溜まったりします。(便が黄色いのは胆汁の色のようです・・)
腹部の検査によって指摘された胆のうのポリープですが、その大きさが一般的に1cm以上になっていると疑いが出てしまう様なのです。
何年か前から毎年検査していたのですが、今までは1cm以下だったため医師としては様子をみていたと思われます。
↓の図は胆嚢を描いたものです(私作)
しかし今回は、「検査結果によると、胆のうポリープの大きさが1cmくらいになっているので怪しいですから、摘出手術をお勧め致します!」と医師が伝えてきました。
癌化していると断定はできませんが、摘出手術してみないと分からない!のですと・・
胆嚢を取ってしまって大丈夫なんですか?と、こちらは当然に尋ねます。
すると医師は、「胆汁を一時的に貯めておく器官ですから、なくても大きな影響はありませんよ!ただ、副作用として暫くは下痢気味になる人は多いですね。そのうち落ち着きますけど・・」
いろいろと調べてみると、確かに胆嚢摘出手術した人の多くが下痢症状になるとありました。
お腹を切らずに手術する腹腔鏡下手術
続けて医師が言うのは、「今は腹腔鏡下手術(ふくくうきょうかしゅじゅつ)というもので、お腹を切らない手術になっていますよ!」と若干安心させる様なことも言ってきました。
腹腔鏡下手術のイメージ図(私作)
↑の画像の様な感じに、現代はこの「腹腔鏡下手術」によって摘出することができるのです。
おへその穴をメインに使い、他2~3カ所程度の穴を作りそこから手術器具を入れてモニターを観て行う手術です。
*その手術手順はこんな感じで進みます↓
今は様々な外科手術(腹内部の病気)に この方法が使われているみたいです。
カメラを付けた器具を入れてモニターを見ながら操作するのでゲーム感覚に思われますが、従来の開腹手術よりも高度な技術のために何時間も模擬体で練習をして慣れなければ怖いでしょう。(どこかの医大で連続失敗もありましたし・・)
ともあれ、お腹を大きく切り裂かれるよりは よっぽど良いと思いましたので、仕方なくサインをする流れとなったのです。
↓手術案内書 (実際の用紙)
↑の案内書にある通りに入院と手術について説明を受けると、1週間もかからないで退院できるとのことでした。
およそ3週間前に手術の予約を取った後、他に再度検査をして入院日を待ちました。
腹腔鏡下手術の体験とその結果
そして手術前日の入院日、やはり手術前には本当にドキドキするもので なかなか眠れないものです!
手術当日AM10時半ごろ、付き添いの家族に見送られて手術室へは車椅子で運ばれました。
全身麻酔をされてからは全く記憶がありませんが、家族によると手術を終えて呼ばれたのは14時過ぎだったみたいです。
家族はその後すぐに手術結果と摘出された実際の胆嚢そのものを見せてもらったようで、忘れないうちに絵に描いてくれていました。
胆嚢の大きさは7~8cmくらいで色はレバー色、ポリープといわれる黄色っぽいおできの様なものが4~5つ付いていたようです。一番大きくて検査でいわれた通り1cmくらいのがあったらしいのです。
手術医の説明だと、切断した側の胆のう管や血管等にはチタン製クリップを使っているが、体内に残っても問題なくMRI検査でも大丈夫ですとのこと。
麻酔が切れるまで↑の様な状態で病室に寝ていましたので、その日は家族とは話すことができずに終わります。
その後1~2日は普通の食事が摂れませんでしたが、2~3日目には通常の病院食が食べることができました。(脂分が少ないもの)
5~6日後には無事に退院することができましたので、その退院直後のおへそを念の為撮っておきました↓。(まだ完全には塞がってない状態?)
この後、数週間経過後に再度検査に呼ばれて診てもらったのですが、その時には穴も既に細胞同士が接着していたと思います。
この手術についての請求金額は医療保険に入っていたので助かりましたが、検査も含めて10万前後はかかったと思います。確かに調べてみると診療点数は↓程度に載っていました。
そして、摘出された胆嚢ポリープが病理検査によって結果が出ました!
4~5つのポリープを検査してもらったところ、「癌化は見られませんでした!」とのことでホッとしたのです。
しかし、やっぱり暫くは腸の調子も悪くて下痢症になってしまったのは事実なのでした・・。(脂分を少なくしても)
これは結果論でしかありませんが、後々考えてしまうことは「本当は摘出手術などしなくても良かったのでは?」ということでした。
しかし、医者としては「摘出してみないと分からない!」という言い分がありましたので、何とも意見がありません。
この先もっと医療が発達していけば、全ての病院でポリープの摘出前判断もできるようになるかもしれませんが、今は何とも仕方がありません。
結局今回は癌ではなかったという結果から「手術損」と思い浮かぶこともありましたが、やはり「良性ポリープで良かったのだ!」と悟ることで終えたのです。
数か月後の手術跡穴の様子↓
生物の細胞の修復は本当に見事なものです。おかげで気が付けば(数か月後に撮ってもらった様子は)普通の通りに戻っていました。
昔の様に切り開く手術では縦や横に切り跡が残ってしまうでしょうけれども、穴を開けるだけなら目立つ様な大きな跡は残らないということです。(おへそ部分は最初から自然に付いているものですし・・)
今回の体験で分かったことは1つ。たとえ1cm以上になったポリープであっても、それが悪性であるとは限らない。しかし、それを確実に判断するには実際のものを検査するしかないということです。
これから更に検査技術が発達していけば、摘出手術する前に簡単に判明できるようになるかもしれませんね・・