①からのつづき・・
とはいえ、私は第一日目から、あらためてその凄さに
途方に暮れてしまいます。
襖も土壁も、長年の煙草のヤニに染まっており
古くなったクモの巣も、色が変色して垂れています。
台所の床は劣化してペコペコで床が抜けそうです。
おまけにペットの糞尿や、汚く汚れたカーテンに
ぶら下がっているゴキの遺体など目にします。
そして、あまりにも出てくる不用品や、ゴミの量に
「これは、独りじゃ無理だよなぁ~!」と
弱音を吐いてしまうのでした・・
ゴキスプレーは買ってあったので、大きなゴキは見えたと思いますが
中年ぐらいから、視力が弱ってきてしまい
今では弱った片目しか使えない父にとって
小さな汚れや、虫類は見えなかったのでしょう。
不要物のかたずけの途中、目にするあちらこちらに付くゴキの糞尿跡
部屋中を多くのゴキに歩き回られていたことが、これで解ります。
とにかく1日目から、家中の不用品ゴミを纏め始めましたが
何日かかるのか最初は分りませんでした!
時は前戻り・・
この計画の実行する前に、施設へ訪問し計画を伝えた時のこと
父は、「俺は、掃除なんかしたことないよ!」
「えっ~、40年間も~!」
「ということは、今回私が40年分の掃除をするってこと?!」
と、私は思わず呆れて言いましたね~
その通りに、この状態は40年分の汚れであると疑いは起きません。
2日目から、とにかく部屋を掃除するために全ての物を出すこと
に専念し始めますが、動かすたびに異様なホコリが出る為
防塵マスクは必須なのでした!
どうでもいい物が無造作に置かれ、積まれてゴキの糞跡が必ず付いてます。
こんなこと他の誰もやりたがらないし業者を手伝わせる予算もないので、
仕方なく独りで黙々とやっていますが、1馬力だとやはり時間がかかり
あっという間に、夕方になってしまうのでした。
私も若くないものですから、腰も痛くなっていきますが
かたずけ中に、父の古い写真などが出てきたりして観ていると
「やっぱり、これをやる運命だったんだなぁ~」とか想い
最後まで諦めないでやり通さねばと、気が張るものでした・・
3日目、4日目と最初にメインの4.5帖部屋を空けることに集中してましたが、
汚れもなく使えそうな物等の仕分けもあり、けっこう時間がかかります。
「こんなところに、よく暮らしていたものだなぁ~!」
と、やっていくうちに益々 その思いは強くなっていきます。
物を分別整理して部屋から出していくと、その言葉は誰でも
口に出さずにはいられなくなるでしょう!
畳の上に敷かれた、色柄違いサイズ違いのカーペット類には
犬や猫の糞尿のほか、大小様々なゴキのバラバラ遺体が付き、
むしろ外の方が綺麗と思えます。
画像でお見せできないのが残念ですが、だいたい想像できるでしょう。
カーペットは剥がして処分するので、掃除機を使いませんでしたが
押し入れは掃除で使わねばなりませんでした。
しかし・・、
40年分のホコリやゴミ、大小ゴキ体に駆使されたせいか、
古い掃除機でしたが 亡くなっていきました・・
この部屋の全ての物を出し終えた後、いよいよ押し入れとの戦闘でした。
一番上の戸袋押し入れを脚立に載って、恐る恐る覗くと
あまり物が置かれてはいませんでしたが、そこは大量のカプセル付きで
上にも下にも横にも、天井板は怖かったので開けなかったのですが
観える範囲すべてのカプセルを削ぎ落し、掃除をしたのです。
押し入れの戸を外すのですが、戸の下以外はサイドや上裏側などに
黒カプセルが貼られていますから、そこも削ぎ落すのです!
この家の中にある戸はすべて、黒カプセルが貼られていたのです。
押し入れ襖戸は2か所で2部屋、部屋仕切り戸4枚、トイレの引き戸や
台所と部屋の木ドアなど、共通して隙間のあるサイドと上部でした。
これには本当に時間がかかりましたね~!
物を分別し始めて、4~5日目に廃品回収が近くを通ったので、
できるだけ不用品を持って行ってもらい、汚いエアコンも外して
引き取っていってくれたので助かりましたね~!
他の大きな不要物などは、知り合いの引き取り業者に依頼し
だいぶ少なくなりました。
5~6日目になり、やっと物も片づいて
いよいよ掃除のクライマックスに入っていきます。
メインの部屋のおぞましいカーペットを剥がしますが、
カーペットを留めるのに、釘打ち付け連発してあり、
それを何十本も抜くので、腰にきましたね~!
人間も慣れは恐ろしいもので、これだけ毎日毎日ゴキ体を観ると
そのうち冷静に処理している自分になってしまっているのです・・
これで、目にできる箇所のゴキ体&カプセルも無くなったので
新しく用意してきた掃除機を、使えるようになるはずですが、
釘を抜きながら、極汚れたカーペットを剥がして
さらに下に敷いてあったイ草の敷物を剥がそうとすると・・
まだ春も来てはいないはずの寒い季節なのに、動く小さなものが!
「な、なんだ~これ~?」と口に出してしまったのでした・・
それは今まで私が見たこともない生物でした!
5~7mmくらいの大きさで、横になって寝ていたのが起き上がり
ウジみたいに這って、逃げようとしていましたが
オレンジ色と白のシマシマ模様で、ボイルした時のエビのようです。
「え? 海にいるんじゃ?」一瞬そう思えてしまいました!
ともあれ、およそ1週間程かかりましたが
やっとのことで片づけ掃除まで辿り着きました~!
あの恐ろしい部屋の状態を乗り越え、おぞましいゴキ体と黒カプセルは
最初 夢にも出現したほどの悩みだったのですが、苦闘の末
見える箇所全て無事に除去完了したので、次のミッションである
DIY リフォームへ移ることができます!
残された日数も限られてきましたので、残る1週間で新しい部屋を
仕上げなければ帰宅に間に合わなくなってしまいます。
*続きは、ページを新たにリフォームの章として、記していきたいと思います。